独占 ページ2
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深夜1時。静かな部屋の中には粘度の高い水音とシーツが擦れる音が支配する。
15cmぐらい開いたカーテンの隙間から月明かりが洩れ、人工的な灯りではなく、自然な光が私たちを微かに照らしていた。
「……っん、」
息苦しいほどの快楽と、彼の甘い香水の匂いに呼吸も理性も乱れる。
ゆっくりと離れる唇を未だに繋ぐ銀色の糸が妙に色っぽい。
『Aちゃん、かあいい』
昼間見た動画でも聞いたその台詞にちょっとだけイラッとしたけど、彼の顔が蕩けるぐらい優しい笑顔だったから許せちゃう。
「辰、…もっと」
『ん。いいよ。』
素直に彼の首に腕を回せば、嬉しそうに答えてくれる。
慈しむように優しく身体を這う綺麗な手からもたらされる快楽に身を委ねれば、あっという間に絶頂へと導かれる。
「…っあ、た、つ…」
『ん、どったの？』
息も途切れ途切れの私と、余裕そうな彼。
甘えるように顔の横に置かれた手にすり寄れば、流れるように頬を撫でてくれる。
「…好き、って言って？」
『ふはっ！なんでそんなにかあいいの？』
ばかにされたみたいでちょっとだけ拗ねれば、優しく落とされる口づけ。
『好き。』
「…足りない。」
『好ーきー』
「もっと。」
『欲張りさんだなぁ』
「…欲張りは嫌い？」
ちょっとの不安と、大きな期待を込めてそう聞けば、わざとらしく『うーん』と考えたフリをしだす。
早くと急かそうとしたときに、中への質量と快楽で思わず背を反らす。
『欲張りなAちゃん、だぁい好き』
その言葉に返事すらできず、ただひたすら彼の甘さを受け止める以外なす術はなかった。
ーーーーー
ーー
鳥の声で目が覚める…なんて人生で一度もなく、聞きなれたバイブの音で目を覚ます。
辰哉が来てるときにアラームは音を鳴らさないようにしている。
ただの自己満足だけど、寝れる時は好きなだけ寝てほしいから。
最初は気づかないなんて事もあったけど、今は夜中のメールを知らせるバイブですら起きるようになった。
未だ隣に眠る彼を見る。ちょっとだけ開いた唇が無防備。
この唇から紡がれる言葉で沢山の人を魅了していると思うとなんだか憎らしい。
「ブス…」
『誰がだよ。』
思ってもない悪口にレスポンスが返ってきて驚く。
「起きてたの？」
『今起きたの…おはよー』
片目だけ開けてフワッと笑う顔が愛しい。吸い込まれるように彼の唇にキスを落とせば、そのまま後頭部に手を回され、深くなる。
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のん(プロフ) - とても面白い小説ではまってしまいました。主人公の気持ちがとても切なく、共感できる素敵な主人公だなと思います。どんな結果でも幸せになってほしい！これからも応援してます。 (3月15日 16時) (
レス) id: d13a90d6ad (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - とても面白かったです。思いあってるのにすれ違ってる2人も、彼女のことを考えてくれる目黒くんも、立場を考えると切なくなります。深澤担ですが主人公がしっかりとしてるのに、段階を踏んで目黒くんの優しさに触れていく過程が素敵でした。続き楽しみにしてます。 (3月15日 4時) (レス) @page38 id: 3a34fd6c9d (このIDを非表示/違反報告)
あたりん(プロフ) - 更新楽しみにしてます！続きがとても楽しみです！ (3月13日 22時) (レス) @page38 id: 8619ea3777 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お豆腐屋さん | 作成日時：2024年3月3日 21時
