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電車に揺られながら、きつく目を閉じる。
(やばいかも…)
なんとか堪えていた辛さは認めてしまったことで大きく膨れ上がる。
ガンガンと思考力を削っていく頭痛と、上がる体温と反し感じる寒気。
未だに脳内にこびりつく写真を、払拭するように目を開ける。
(気を紛らわさないと…)
遠のく意識をなんとか保とうと携帯を開く。
好きな動物の動画でも見ようとSNSを開くと、トレンドに上がっている言葉が目に留まる。
【＃祝熱愛】
見てもいいことはないのを分かっているのに指が止まらない。
もういっそのこと嫌いになれたらいいのに。これで終わりにしてしまえたら…
体調が悪いと思考すら坩堝にハマっていくらしい。
[おうふかの熱愛とかヤバ！最高じゃん！]
[待って、ふっかの熱愛って聞いて萎えてたけど、桜ちゃんなら全然ウェルカム！]
ご丁寧にスクープの記事まで添付しているものまであって…
(長年の愛を実らせた二人を、きっとファンも祝福してくれるのだろう…か。私って何なんだろう。知ってたけど…辛いもんだぁ)
焼けるほど熱くなる目とぼやける視界。
(もう嫌いになった。もう別れてやる。
って、なんでそう思えないのかなぁ…)
いい歳して電車で泣くなんてしたくないのに、どうしても止められない。
泣けば泣くほどより体調は悪くなる。
(もうちょっとだけ耐えて…)
自分の身体に言い聞かせながらなんとか電車を降り、家路を急ぐ。
一秒でも早くと焦る気持ちが悪かったのか、すれ違いざまに誰かにぶつかった拍子に急なめまいに襲われた。
(あ、倒れる…)
重力に逆らえるほどの力もなく、いずれ来る衝撃に身構えると、人のぬくもりに包まれた。
[え！大丈夫っすか？！]
「…なんとか、、、。ありがとうございます。」
声を出すのも辛くて、か細い声だったから聞こえているかは分からないけど…
(起きないと…)
いまだ見知らぬ人の腕の中にいるのも分かってるし、早く立たないとこの人に迷惑がかかる…
頭では分かっているのに、体が言うことを聞かない。
(…た、つや。)
限界だったのか自分の意志とは裏腹に意識が遠のいた。
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のん(プロフ) - とても面白い小説ではまってしまいました。主人公の気持ちがとても切なく、共感できる素敵な主人公だなと思います。どんな結果でも幸せになってほしい！これからも応援してます。 (3月15日 16時) (
レス) id: d13a90d6ad (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - とても面白かったです。思いあってるのにすれ違ってる2人も、彼女のことを考えてくれる目黒くんも、立場を考えると切なくなります。深澤担ですが主人公がしっかりとしてるのに、段階を踏んで目黒くんの優しさに触れていく過程が素敵でした。続き楽しみにしてます。 (3月15日 4時) (レス) @page38 id: 3a34fd6c9d (このIDを非表示/違反報告)
あたりん(プロフ) - 更新楽しみにしてます！続きがとても楽しみです！ (3月13日 22時) (レス) @page38 id: 8619ea3777 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お豆腐屋さん | 作成日時：2024年3月3日 21時
