末路 ページ37
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「…して」
『ん？』
「っ、離して！」
初めて聞く私の荒げた声とボロボロと流れる涙に驚いた顔をして私の上から降りた彼。
『どーした？』
そう優しく聞いてくる。落ち着きたいのに一度噴火したものは押さえつけられない。
「…辰哉こそ私だけ見ててよ！」
『え？』
「いつまで私は耐えたらいいの？そもそも終わりは来るの…？
もう、…疲れちゃったよ。」
知らない振りしようと思った。
いつも通り何でもないってふりしようと思ってたのに、一度出てきた本心はもう止められない。
『A…？』
優しい声で私の名前を呼ぶ辰哉の顔。
戸惑いを隠せない表情が涙で滲み見えなくなっていく。
「…熱愛出た時、自分の彼氏が別の人とお似合いだって言われてる時、
張り裂けそうな心を無視してまだ大丈夫って言い聞かせる事にも、
別れてやるって、嫌いになるって何度も思ってるのに…それでも好きでいるのやめられない自分にも、
…疲れた。」
漏れた私の本心。
『っ、』
「…ごめん、今日は帰って。」
それだけ伝えて彼に背を向ける。
ーガチャリ
扉が閉まる音が聞こえた時、「っ、、…！」決壊したダムのように涙が溢れた。
ーー
ー
あれからどれぐらい経ったんだろう。
気づけば外は暗く、レースカーテン越しに月が輝く。
泣きすぎてだるい体に鞭打って立ち上がり、体内に水分を取り込む。
(…何もしたくない。)
電気もつけず、窓の外で輝く月を見つめていると携帯が震える。
メッセージが届いたとこは分かるが、見る気にはならない。
そのまま放置していると着信。画面を見ると【目黒】。
出ずにいると何度も鳴らされる携帯。
『あ、やっと出た。』
「…ごめん、今忙しいからまたね。」
『おい！ちょっ！』
早く切ろうと矢継ぎ早にそう告げて電話を切る。
また着信が来るから携帯の電源を落とす。
(お風呂は朝入ろう)
ベットに倒れ込みただ眠りに落ちた。
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のん(プロフ) - とても面白い小説ではまってしまいました。主人公の気持ちがとても切なく、共感できる素敵な主人公だなと思います。どんな結果でも幸せになってほしい！これからも応援してます。 (3月15日 16時) (
レス) id: d13a90d6ad (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - とても面白かったです。思いあってるのにすれ違ってる2人も、彼女のことを考えてくれる目黒くんも、立場を考えると切なくなります。深澤担ですが主人公がしっかりとしてるのに、段階を踏んで目黒くんの優しさに触れていく過程が素敵でした。続き楽しみにしてます。 (3月15日 4時) (レス) @page38 id: 3a34fd6c9d (このIDを非表示/違反報告)
あたりん(プロフ) - 更新楽しみにしてます！続きがとても楽しみです！ (3月13日 22時) (レス) @page38 id: 8619ea3777 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お豆腐屋さん | 作成日時：2024年3月3日 21時
