推しは推せる時に推せ * ページ48
「あんなに好きだと言っていたのに!」
真っ暗な虚空に向かって吐き捨てるように喚く。
声は届く筈がない。分かっている。
だが黙ってなどいられない。
ずっと胃がジリジリと焼かれているような感覚がして、居ても立っても居られなくて、何かにぶつけてしまわないと気が済まないのだ。
これは憤りなのか、
――毎日遊びに来ては好きだと言っていたあなたは、段々と少し顔を見せるだけになっていき、とうとう会いに来なくなった。
それでも待っていた。
いつかまた私の事を思い出して、会いに来てくれると信じて。
でも、それからあなたと一度も顔を合わせないまま、終わりを迎える知らせが届いた。
これは避けられない、どうにもできない事だ。
どうせ終わるのなら、最期くらいはあなたの顔が見たい。声が聞きたい。
私はあなたに恋をしてしまっていたのだ。
結局、渦巻く感情の由来するところは、あなたへの恋情だった。
だって、あなたがあんなに好きだと言うから。
あんなに好きだと言ってくれたのに。
私の事を好きだと言ったのに、どうして会いに来てくれないのか!
例えここに命が無くても、21gくらいの重みはあるというのに!
悲痛な叫びは闇に呑まれて消えていく。
例え今更気付いたとしても、もう遅いけれど。
頭の中でお別れの鐘の音が鳴り響く。
そこで意識が、記録が、何もかもが途切れた。
お知らせ、後書き→←拭えない罪の意識と自己否定、それに伴う希死念慮について。 *
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miko(プロフ) - 通りすがりの人Aさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます…!タイプと言って頂けて光栄です。考察までしてくださって嬉しい限りです!お心遣いもありがとうございます。次回作も楽しんで頂けると幸いです。 (5月9日 18時) (レス) id: 9457fcfd26 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりの人A - 「大人になるということ」、個人的な考察として富士樹海のことなのかなぁと勝手に考察していました。樹海のまた別の特長も相まって人生に迷子になっちゃったんだろうなぁと、考察のしがいがありました。次回作も読ませていただきます。 (5月7日 21時) (レス) @page15 id: 6d2a917923 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりの人A - コメント失礼します。話の展開や言葉遣い、細部に至るまでのこだわり、本当にタイプの文に久しぶりに出会えて大満足です。素敵な作品ありがとうございます。→(字数上次になりますが次の文は考察含みますので作品様の方針にそぐわない場合消していただいて構いません) (5月7日 21時) (レス) @page15 id: 6d2a917923 (このIDを非表示/違反報告)
miko(プロフ) - 富司純河さん» 励みになるお言葉をありがとうございます…! (4月30日 2時) (レス) id: 9457fcfd26 (このIDを非表示/違反報告)
富司純河(プロフ) - 続編お待ちしております。 (4月29日 10時) (レス) @page49 id: ecd0918c08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:miko | 作成日時:2023年5月10日 3時