創作意欲のワンフレーズ

後書き(続き) ページ50

(後書きが長過ぎて分割になってしまいました。前代未聞ですね。
自分の作品に思い入れがあり過ぎて、周りを置き去りにしている感覚があります。でも辞めません、楽しいので……)


・「初恋のパルス」ですが、パルスとは「極めて短い時間だけ流れる電流や電波。また、その繰り返し」の事です。また「脈拍」の意もあります。

主人公が恋焦がれる“あなた”は一応アンドロイドのつもりで描写しているのですが、人間で言う胸がキュンと苦しくなる感覚をパルスに例えました。


・「目を逸らした恋情」、主人公が目を逸らしていたのは彼女からの恋する眼差しだけでなく、自分の中で燻っていた恋情もです。


・「推しは推せる時に推せ」、題をギリギリまで「覆水盆に返らず」にするか迷っていました。
でも題で説明を入れないと何が何だか分からないだろうな、と思ったので今のものになっています。

昔やってたソシャゲがサ終する時、プレイヤーが会いに行かなかったら推しはどうするのか、みたいな話です。やや自戒。


＊物語の解説、小話

・「初恋のパルス」の初めと終わりの対比が気に入っておりまして……

初めが
『私の隣に座るあなたの手に、態(わざ)と指先を当てる。』
『あなたの眼(カメラ)と薄く開いた口元を、ただ何も言わずに見ていた。』
だったのに対して、終わりが
『あなたの冷たい指が、ぎこちなく、私の手に重ねられる。』
『その眼(アイ)は真っ直ぐ、私だけを捉えていた。』
なんですよね。

最初は単に主人公が“あなた”の眼を見詰めていただけだったのが、終わり頃に主人公は「“あなた”が私の事をちゃんと“見て”いた」のに気付いた……つまり、最初は一方的だったけれど終わり頃にはお互いの気持ちが通じ合った、って対比なんですよ。

「“あなた”が私の事をちゃんと“見て”いた」って、何と表現すれば良いのか……。
機械の機能としてカメラに映すのではなく、自分の意思で見ると言うか、心の目で見ると言いますか……。

“あなた”が本来なら有り得ない感情を抱いた事に気が付いた(推測が確信に変わった)主人公と、初恋に戸惑いつつもそのエラーを受け止めて向き合う覚悟をした“あなた”の描写が気に入っています。

あと触れ方がほんの少し大胆になっているのもお気に入りの対比です。


＊終わり

完全に自己満足な後書きなので、読んでくださった方には感謝を通り越して罪悪感すら覚えます。

最後まで読んで頂き本当にありがとうございました。

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