検索窓
今日:13 hit、昨日:117 hit、合計:56,280 hit

purple ページ44

『……あの』
「ん?」
『通れません』
「うん、通れないようにしてるからねぇ」

廊下へ行くための扉。何故かその扉を開けれないのは
壁に腕をついて通せんぼするこの人のせい。

『も〜〜!辰哉くんってばなんなの!』
「なんなのってわかんない?』

余裕そうに笑ってるフリして、目が笑ってない。
せっかく友達とのお出かけで、
るんるんの気分で着替えてメイクしたのに遅刻するじゃん。
なんで通せんぼされなきゃいけないの。

付き合って既に3年。
お互いちゃんと好きだって伝わってるけど
丁度いい距離感というか自由な感じが居心地いい。
それはきっと辰哉くんも思ってること。
信頼してるから彼が誰かとご飯に行ったり
出掛けることに対してもそういう心配はしないし
彼も、私に対してそれは同じ感覚だと思う。

…なのに今日は、なんだか違う。

『どいてよ〜〜遅刻しちゃう』
「やぁだ」
『…もしかしてさっきのゲーム?帰ったら続きするから』
「ちっがう。ほんとに分かんねぇの?」

頭からつま先まで、1度舐めるように私を見て
わざとらしく大きなため息をついた。

『…もしかしてこの服?』

そう言うとピクっと動いた眉。

『そんなに似合ってない?やっぱおかしいかな!?』
「ねえそれマジで言ってる?」

友達とならいいかなと調子に乗って着たミニスカート。
買ったばかりの首元の空いたニットと合わせて
結構可愛いんじゃない?って浮かれてたのに。
辰哉くんも好きそうだと思ったんだけど。

「正直、死ぬほど可愛い」
『ほんと!?』
「だからダメ」
『…え?』

褒めるのにダメってどういう事?とぽかんとしてると
ほんとうちの子は…って頭を抱えた彼。

『わっ、なに』
「……まーじでなんなの?このやらしー服」

気づけば腕を掴まれて、背中に当たったのは冷たい壁。
一昔前にはやった壁ドン?なんて余裕ぶった私が悪いんだけど。

「あーあ、簡単に触れちゃうね」

ツー…と彼の綺麗な指が足をなぞって
思わずその肩をキュッと掴んだ。

「あは、気持ちいい?」
『辰哉くん、ちょっと』
「こんな事されちゃうよ、俺以外に」

いいの?と怒ったような目と視線が合う。
言葉は出せないまま横に首を振った。

「いい子だからお着替えして?」
『…はい』

カジュアルなワンピースに着替えると
それも可愛い、なんて言えちゃうこの男。


(帰ったらアレもっかい着てよ)
(なんでよ)
(彼氏の特権ってヤツなの)


yellowさんの話をバージョン違いで書いてみました🎮👾

続く お気に入り登録で更新チェックしよう!

←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (91 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
436人がお気に入り
設定タグ:snowman , 佐久間大介 , 目黒蓮   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2024年2月25日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。