black ページ6
『目黒さん、お疲れ様でした。、メイクOKです』
「んお、寝てた…。うし、あざっした」
優しく肩を叩いて起こすと、
ガタッと音を立てて立ち上がるトップアイドル。
さすが高身長と言われるだけあるな…と
通りすがりに並ぶ肩の高低差に、毎度感心する。
んじゃ、次お願いします!と
律儀にお辞儀して前に座ったのは秀才阿部さん。
めめぇ〜ここなんやったっけぇ!?と
ライブ直前の緊張からか
振り付けを忘れたんであろう向井さんに
ぐずぐずと泣きつかれて笑っている彼。
鏡越しにその光景を見ていると、
またやってますね、すみません。と謝る阿部さん。
それに対して、今日も仲良しですねと笑った。
…本当に下から2番目の末っ子組なのかと疑うくらいに
昔から彼は大人びていると思う。同い年だけど。
九人体制になってままならない頃
それと同時に人気が上がり続ける彼らの
専属のメイクとして配属されて早数年。
今では自分たちだけでドームを埋めて
レギュラー番組を持って
各々が各方面で活躍している。
輝いている人を、より輝かせる仕事。
この仕事を誇りに思う。
もちろん彼ら以外にも、担当することはあるわけで。
''SnowManのメイクもしてるって、本当ですか?''
そう言ってキラキラとした目を向けてくる
モデルや女優の人たちに出会う事も
割と少なくなかった。
''そうですね、もう結構長いかもです''
''え〜!!いいな、やっぱ目黒くん、カッコイイのかな''
その度になぜだか痛む胸には、気付かないフリをして。
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作者名:蒼 | 作成日時:2024年2月25日 20時