月曜日 ページ27
「よっす」
『蓮くん！おはよう』
いつもの登校時間、
何故か私のクラスの下駄箱に寄り掛かる蓮くんと鉢合わせた。
朝から会えちゃって、なんだかラッキー。
『ラウールくん？』
「ん？違うよ」
『あれ、じゃあ他の誰か待ってるの？』
「A」
『…うん？』
「うん？じゃなくて。A待ってた』
通り過ぎていく女の子たちの視線。
予想外の答えに思わず口が開いてしまう。
「今日の昼休み、屋上ね」
『…屋上？』
「一緒に昼飯食お」
ほら早く靴履き替えな、と催促されて
バタバタと上履きを取りだした。
…私今、あの蓮くんにお昼のお誘い受けた？
「ダメ？」
『だっ、だめじゃないよ』
「やった。ついでに教室一緒行こ」
朝からこの蓮くんスマイルを食らってしまうと
眠気も、まだちょっと痛む怪我も、へっちゃら。
……そういえば、阿部ちゃんにもからかわれたな。
【噂のめめくんといい感じだね。翔太、妬いてたよ〜】
【からかわないでよ。あと、渡辺先輩に限ってありえないよ】
【そう？体育祭行きたいって言い出したのは翔太だからね】
とりあえず元気そうで安心したよ、お大事にねと
可愛いお天気キャラクターのスタンプと共に終わった会話。
よく意味わからなかったけど。
(……なんで渡辺先輩が？)
「A？」
『…あ、何？』
「考え事してるっぽいから」
『いや、全然大したことないから』
「ふーん。ま、いいけどさ」
あっという間にクラスに付いてしまって
痛いほどの視線を浴びながら、バイバイと手を振った。
「めめと来たんだ、おはよう」
『ラウールくん、おはよ』
「下駄箱に居座ってるから変だと思ったけど、成程ね」
俺と一緒に来てるのにおかしいと思った〜と
全て分かったようなラウールくんの悪い笑顔。
結構、小悪魔気質だと思う。
「そろそろめめとの関係、教えてよ」
俺、結構キューピッドになれると思うよ？って
頬杖を付きながら笑った。
『な''ッ』
「ふふ、わかりやすいのに隠してるんだもん」
『…だって』
「健気で素敵だと思うよ、Aちゃんのそういうとこ」
『ラウールくん〜〜…』
「まあこれでもめめの親友だから。任せてよ」
ちなみに琴葉ちゃんにもバレバレだったよ、と
小さな声で耳打ちされた。
毎朝遅刻ギリギリの彼女はまだ来てないようだけど
…二人に既にバレてたなんて、顔から火が出そう。
『あんまりからかわないで…』
「絶対に言いふらしたりしないから」
心強いけど…。でも、問題は今日の昼休みだ。
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作者名：蒼 | 作成日時：2024年3月13日 9時
