わんことアイドル

わんこはニガテ（rq） ページ45

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(#わんことニガテのバニラside)





スンスンと鼻を鳴らし、下を向く耳としっぽ。



晴れやかな空なのに、程よく暖かくて過ごしやすい気温なのに、

鼻奥で感じたジメジメしたような、わたしの嫌いな匂いに思わずムッとする。


...やっぱりこの後、雨が降る。




ワンコは嗅覚で色んな情報を鼻から察知するもんで、天気もそのひとつ。



今朝からかすかに感じていた雨の匂いに、どうか気の所為でありますようになんて願っていたけど...

段々と強くなる匂いに、ですよねぇ...と項垂れる。



雨の日は好きじゃない。


というか苦手。



おさんぽも行けないし、外は暗くなるし、何より捨てられていた時のことを思い出してしまって、

うーん、あんまり、ね。


ご主人もそれを分かってか、雨の日には声が数段優しくなって接してくれて、いつもだったらそんなに気に病むことはないんだけど、今日はもうしばらく不在。



『くぅん...』


嫌だなぁ...でも、仕方がないよねぇ...




ご主人の帰宅まで、あと数時間。




ウロウロと歩き回って気を紛らわせてみるも効果はなく、ソファの上に掛かっていたご主人のパーカーに突っ伏してみるも余計に恋しくなってしまってダメだった


そして案の定、すぐに降ってきた雨は辺りを暗くしていって、広い部屋に一匹(ポツリ)、余計に心細さを感じる。




...ご主人、早く帰ってこないかなぁ


あ、でも今日傘持っていかなかった気がする。


ご主人びしょびしょかな...玄関にタオル持ってっとこ。


タオルの棚、高いんだよなぁ.....あ、干してあるの取ればいっか


そうと決まれば、と気を取り直してタオルを取りに行こうとした瞬間、




ピカッ


『！？』




ドーーンッ！！


『キャウっっ！？！？！』





すごい勢いの雨粒に、急に光って、どデカい音。





なに、いまの...




今までにない光景にブルブルと体が震えて、急いでソファの下に隠れる。


ひかった、なんか、鳴った...！



しかもそれは、1回どころじゃなくて、ピカっと光っただけだったり、光らずに急に爆音だけしたり、


びくびくしながら精一杯縮こまってみる。



『クゥ.........』




雨だし、なんか光ってる、こわいし、うるさい、



バクバクと心臓が昂り、だんだんとわたしの息も上がって苦しくなって



こわい、くるしい、やだやだ！









でも、そんなとき、やっぱりあなたは、助けてくれる



「....ただいま〜」

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