ep.03 ページ3
蓮side
あんなに喜んで渡してくれたのに
俺が掴んでいる花束は萎れて…
情けない
半年記念だからって由実の事なんて一切考えずに
俺は呑気に花束なんか渡して…全部自己満足。
「…目黒さん、もしお時間があれば私の家に来ませんか？
このままだと風邪もひきますし‼︎」
蓮)え？
「あっ私の家すぐそこなんで‼︎」
蓮)いや、でも…
「大丈夫です！何も手は出しませんから！」
いや、普通それは男が言う台詞なんじゃ…
「いきましょう‼︎」
蓮)えっ？！
腕を掴まれ彼女のアパートへ連れてこられた俺は
彼女の勢いにびっくりして、玄関で呆然としている
「とりあえずタオルはこれを‼︎あっあとこれよかったら着替えに使って下さい‼︎」
男物のスウェット…待てよ？これは彼氏いるパターンじゃやいか？だとしたら俺かなり迷惑…。
蓮)やっぱり帰ります！彼氏いるのに申し訳ないんで！
「えっ？彼氏？」
蓮)いや、だってこのスウェット…
「あぁー大丈夫です♪それ私のお兄ちゃんのなんですよ‼︎」
蓮)お兄さん！？
なるほど…
「ほら早く風邪ひくのでお風呂入ってください！」
お風呂から出ると、何やら作業をしている彼女の姿が見えた。
「あっすみません‼︎花束勝手にアレンジしちゃって」
蓮)いえ、綺麗にしてくれてありがたいです。
この花は深澤さんが貰って下さい。
「でもこれ彼女さんのじゃ…」
蓮)実は今日別れたんです。てか彼女に一方的に言われて…
でも俺が悪かったんです。」
「…なるほど」
気まずい思いさせてしまった
「このお花は私が受け取る代わりに目黒さんには、これを…」
そう言って彼女が俺に差し出したのは
一輪のスズランだった。
「知ってます？スズランの花言葉」
蓮)いえ…花言葉はあまり。
「再び貴方に幸せが訪れますようにという意味です」ﾆｺｯ
蓮)！？
「今日辛くて悲しかった分だけ今度は目黒さんにそれが幸せとなって返ってきますよ」
ﾄﾞｷｯ
蓮)…ありがとうございます///
ﾊﾞﾝｯ
深)おい玄関に男物の靴が…って誰だお前‼︎
「お兄ちゃん！？」
蓮)えっお兄さん！？
深)A‼︎お前は俺に黙って
「違うから‼︎目黒さんは…」
深)目黒？
蓮)深澤さんってまさか…
深)めめじゃん‼︎
蓮)ふっかさん！？
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作者名：ほまれ | 作成日時：2024年3月20日 16時
